2階建て新幹線、終焉。
JR東日本で運行されていた2階建て新幹線MAXこと、E4系新幹線が10月1日をもって定期運行を終了した。
最大16両編成で1,634名の旅客を運ぶことが出来た新幹線。
ただ、スピードアップやバリアフリーの波に揉まれてしまったのか、段々と活躍の場を失っていった。
上越新幹線では、通勤利用の方を一度に沢山運ぶ事ができ、活躍の場はあったが、E4系以降、2階建て新幹線の新しい車両は作られていない。
台風で長野にある車両センターが水没し、増備した車両がオシャカになってしまったため、運用を離れるのは先送りにはなっていた。
運行終了間際には沢山のファンが集まったとも聞く。
高速鉄道網が整備されるなかで、スピードと安全の両輪が噛み合わなければ、新幹線ネットワークは機能しない。
大量輸送の観点からは、2階建て車両の投入というのは次代が要求したものだったのは間違いではない。
しかし、技術面においては、2階建て車両の速度向上は難しいものがある。現在の立ち位置からは、車両の老朽化もあり新型を投入するだけのメリットがない。
観光よりも速達性向上による輸送経済の発展を狙いとした施策には、残念ながらMAXが生き残る余地がなくなってしまったとも思える。
特に日本の新幹線はほぼ専用線であり、高架とトンネル区間が多い。2階建ての階下部分は景色も遮られるデメリットもあり、利用者としては空きがなければ仕方なく、という感じも否めない。
在来線は階下部分でも特に、と言うのはあるだろうが、新幹線ではソレが受け入れられるとならなかったのは、景色、見晴らしという部分もあっただろう。それが同じ料金というところにも、値打ち感を欠いたとも考えられない訳でもなかろう。
一時代を築き、時代に押され去るのは、いつの世も変わらぬ宿命。だが、日本の新幹線に2階建てMAXがいたことは紛れもない鉄道の歴史・事実なのである。
2階建て新幹線に胸をときめかせたことは、ずっと語り継がれていくはずだ。
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