チャンピオンズカップ
川崎でのJBCデーから、暮れの東京大賞典に至るまで、ダート競馬の大一番が続きます。
近年、特にダート競馬では息の長い活躍馬が多く、若駒たちが割って入れるかどうかが見ものとなります。
さて、中京競馬場を舞台とするチャンピオンズカップは今年で3回目。ジャパンカップダートの時代を含めると17回目を数えますが、舞台が東京→阪神→中京と変わり、距離も2,100m左回り→1,800m右回り→1,800m左回りとなっているので、過去のデータがあまり生きないのも事実です。
昨年は牝馬・サンビスタが人気薄で優勝し波乱を生みました。2着には3歳馬のノンコノユメが入るなど、ダート常連の古馬に割って入る結果。
中京に移っての最初の勝ち馬、G1クラス10勝を挙げたホッコータルマエが脚部不安のためにレース直前で回避・引退。前哨戦にあたる武蔵野ステークスをレコード勝ちしたタガノトネールが調教中の故障で予後不良となるなど、俄かに波乱ムードが今年もよぎっているような感じもあります。
注目は目下連勝街道を驀進中のアウォーディーが中央G1初勝利となるか?
果てまた、連続して1番人気に推されながら、敗戦を喫しているコパノリッキーが悲願成就なるか?
ダート戦線で主役を張ってきた世代と主役を奪う新鋭との対決の様相を呈してきたようです。
また、今年のドバイ・UAEダービーを制し、日本馬初のアメリカ三冠レース皆勤、しかもベルモントステークスでは3着に入ったラニも参戦。ラニはアウォーディーの弟でもあり、兄弟対決が実現した一戦にもなります。
さて、レースの展望ですが、カギを握るのはコパノリッキーと見ています。今回、ノンコノユメの主戦騎手であるルメール騎手が初騎乗。逃げの一手でレースを作れる強みがある反面、突かれる展開では脆さを見せるところがあります。今年、日本での騎乗を選びJRA所属となったルメール騎手は、リーディング争いでも負けられないところ。カネヒキリ、ヴァーミリアン、ベルシャザールなどのダート強豪馬で結果を残して来ているだけに、今回の乗り替わりもプラスと見ていいでしょう。ライバル・ホッコータルマエが回避した事で向こうを張られる馬が少なくなったことも、展開上プラスに働くものと思われますが、この馬の癖を知り尽くしている武豊騎手がアウォーディーとのコンビで再び立ちはだかることにもなりそうですから、一概には楽な競馬は出来ないのも事実です。
また、距離もマイル前後が1番合っているような感じで来てますから、前走の2,100mからの短縮はプラス。1,800mもベストでは無いですが、こなせない訳ではないでしょう。ただし、この舞台で人気を集めながら敗れているとなると、過大評価はしたくないところです。
中央G1初勝利を目論むアウォーディー。コースを選ばない融通性はダート転向後の結果を見れば明らかです。
ぶっちぎりの勝ちとまではいきませんが、この二戦が僅差を凌いで勝つという勝負根性が評価できます。ただし、抜け出してしまうと気を抜く面があるという事もあり、しっかりゴールまで追えるかが鍵。非凡な能力があればこそのダート連勝街道ですから、軸としての信頼度は高いと思われます。
ノンコノユメは名手・ムーア騎手の手綱に託します。ルメール騎手からのスイッチですが、気性の悪さがレースに影響し、勝ちきれないところがありました。去勢をしてから落ちつきを見せている分、昨年2着に食い込んだことからも上位候補であることは確か。詰めの甘さに左右されそうな気はしますが、末脚がしっかり使える分、信頼度は増すとみていいでしょう。
同じタイプの脚を使うのが昨年の東京大賞典勝ち馬・サウンドトゥルー。堅実な差し脚が魅力ですが、使い所の難しさがあるため、勝ちきれないレースが続いています。メンバーからみても実力は上位。出来ればペースが流れて決めて勝負になって欲しいところ。展開次第の弱みがどうでるか。
今年のフェブラリーステークスの勝ち馬・モーニンは大事な一戦。微妙に距離が長いと言われているものの、斤量を背負っての日本テレビ盃がアウォーディーと僅差の2着。さすがに前走は59kgの酷量に泣かされた感があり、定量戦のここで巻き返しを図りたいところでしょう。
上位人気馬では信頼度でアウォーディーが軸候補、着の確実さでサウンドトゥルー、巻き返しを期待してのモーニンが3番手とみています。
ノンコノユメ、コパノリッキーが足りない訳ではないですが、不安面が他よりある分難しいところです。
3歳馬の二頭、ゴールドドリームとラニ。前者は勢いが感じられる素質馬で、鞍上のデムーロ騎手次第。今年の中央G1を4勝している手腕からも、人馬ともに侮れないところですが、今年の古馬と3歳馬の対決では、3歳馬に分が悪く出ているようにも思えます。ラニについても、あの気性からみて能力はあっても大敗まであるので、あくまでも抑え。ラニよりは信頼度が上がるゴールドドリームが逆転の1番手に挙げるには、まだまだ古馬との差がありそうな気もします。斤量差も僅かに1kgですから、恩恵は薄いとみています。
穴馬としてあげるなら内枠に入ったブライトライン。年齢こそいっているものの、力が衰えている訳ではないと考えます。距離もこなせる範囲ですし、芝・ダート両方の重賞勝ち馬はメンバーではこの馬だけ。経験が活きる展開なら田邉騎手の手綱さばきに期待してみたいところです。
ロワジャルダン、モンドクラッセ、アスカノロマンと言ったダート重賞の常連もいますが、やはり実績面でひっくり返せるだけの力が足りない。ダート重賞の常に勝ち負けで戦っている馬とは差があると見て無印としました。
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