オジュウチョウサンの夢

七夕の日に、平地のレースを圧勝したオジュウチョウサン。

言わずと知れた最優秀障害馬、希代のジャンパーですが、平地に再度挑戦することになったのは、オーナーの夢でもあると思います。

ジャンプレースを含め、現在10連勝中。

殊にJ・G1レースは5連勝と圧倒的な強さを見せつけています。障害レースファンは、もちろん国内ジャンプレースでの強い姿を見たいでしょうし、開成山特別を勝った後、この先は有馬記念を目標にして平地を使う、と明言された事で、彼の華麗な飛越を見られなくなる寂しさは感じざるを得ないでしょう。

とはいえ、平地は未勝利だったオジュウチョウサンは、500万条件を勝ったばかりのいわゆる「条件馬」。上のクラスに挑むには、まだまだ除外の憂き目にあう可能性があります。

そこに降って湧いたフランスG1へのオファー。

カドラン賞という芝4,000mの長距離重賞、凱旋門賞を見てこられたファンなら、耳にした事があるはずです。

世界的に3,000m超のステイヤー競走が少なくなっている現在、日本の天皇賞(春)や、オーストラリアのメルボルンカップ、イギリスのゴールドカップなどが健在です。

日本の秀でたステイヤーなら、海外の長距離重賞でも勝負になる、そう思われてはいるものの、意外にもその勝ち鞍は僅かです。

デルタブルースがメルボルンカップを勝ったのが、おそらくは最後ではないでしょうか。

イングランディーレが果敢に挑戦したゴールドカップも着外に終わっていますし、あまりこの条件に遠征する日本馬は多くないのもあります。

欧州産の馬は、優れたスタミナの持ち主。
起伏に富んだ洋芝のコースをいかなる条件でもこなすだけのタフさが求められます。そこに、スピードを織り交ぜ、秀逸な能力を持ち合わせたサラブレッドを産み出しているのです。

今年の欧州クラシックでは、ディープインパクト産駒が二頭、ビッグタイトルを勝ち取りました。日本が産んだ名馬の仔が、名だたるクラシックを勝つなどとは夢にも思わなかったはず。

ようやく、欧州でも通用する馬産が根付いてきたのかもしれません。

さて、オジュウチョウサンがもし、カドラン賞に挑戦するとしたら?

勝負になるだけの物は間違いなくあると思います。

ステイゴールド産駒は、ロンシャン競馬場に相性が良い。それはオルフェーヴル、ナカヤマフェスタが凱旋門賞で見せたパフォーマンスがあるからです。

母系にはリボーの血が流れていますから、欧州の適性は血統面から見ても大丈夫かと。

九十九里特別が次走、という発表があった直後ですから、なんともわからないですが、凱旋門賞には武豊騎手で挑むクリンチャーがいますから、そのまま豊ジョッキーが手綱ならば、挑戦する条件は整っていると思います。海外への挑戦は夢が大きい分、リスクも大きい。あとはオーナーサイドの腹づもり一つではないでしょうか。

彼の夢、平地・障害の二刀流ホースが海外のG1で果たされるのなら、ファンにもたまらない夢になるでしょう。

これからの動きには注目したいです。

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